若手外航船員が続々と早期退職する理由は?

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2020/4/20更新

今回は、若手外航船員が早期退職していく原因について書きたいと思います。

 

現在、各海運会社は、若手外航船員の退職者の続出に頭を悩ませています。

なぜ若手外航船員は退職していくのでしょうか? 

なぜ若手外航船員は退職するのか

退職時期として2パターンあります。

・その①入社3年以内に退職

・その②30歳前後で退職

それぞれで理由が異なってきます。

その①入社3年以内に退職

主にこの3つの理由です。

人間関係

人間関係で退職する人が圧倒的に多いです!

数ヶ月も上司と生活も仕事も共にするわけですから、変な上司に当たると精神が持たなくなるのです。

毎日怒られたり、無視されて最終的には海に身をなげてしまう人もいますから、そうなる前に退職した方が間違いなくいいです。 

労働環境

労働時間が長く、家に帰れない、きついなどの労働環境が問題で退職してしまいます。

特に労働時間に関しては、時差があったり夜通し働いたりと精神的肉体的に厳しいものがあります。

陸で働いている時と比べると全然キツさが違います。

将来への不安

「こんな若手社員が退職していく会社に居続けれるのだろうか...」

仕事ができるかどうかの不安より、会社への不信感で退職する人もいます。

まさに負の連鎖です。

その②30歳前後で退職

30歳前後になり経験や技術もついてくると理由が変わってきます。

家族のために

結婚して子供ができて家族のことを考えたときに、もう続けてられないという理由で退職する人も少なくないです。

特に子供の成長を見れないというのは辛いのではないでしょうか。

ヘッドハンティングや待遇の良い陸の会社に転職

一等航海士や一等機関士になり資格や経験、技術を持った外航船員が陸の会社に転職することがあります。

また、他の陸の会社が経験のある外航船員を欲しているようでヘッドハンティングされるなんてこともあります。

 

航海士より機関士の方が退職しやすい

私の身のまわりや他社の話から航海士より機関士の方が退職者が多いです。

なぜなのでしょうか?

それぞれ職種の特徴から見てみたいと思います。

仕事の難易度の違い

航海士:難易度は高くないが責任の重い仕事が多い

機関士:難易度が高いが、失敗してもどうにかなることが多い

上司と仕事する時間の違い

航海士:4時間の当直中は基本的に一人で上司がいない

機関士:一日8時間上司がいる状態で働く

労働環境の違い

航海士:労働時間は長いが、涼しいところでの仕事が多い

機関士:航海士より労働時間は短いが、暑くてうるさい機関室での仕事がほとんど

 

この3点を比べるとそれぞれの特徴がわかります。

機関士の場合、暑くうるさい機関室上司と一緒難易度の高い仕事が多いです。

そして、日頃からストレスを溜めてしまいやがてやめてしまいます。

 

ここでは航海士の仕事が楽だと言っているわけではありません。

航海士はなかなか休めず、過酷な仕事です。

 

その上で機関士の方が若手にとって続けにくい特徴があるのです。

 

退職後の就職先は?

退職者の就職先は、様々です。

あえてパターンを分けるとすると以下のようになります。

他の海運会社へ

「なぜ他の海運会社へ?」と思いますが、内航の海運会社転職する人がいます。

内航船は外航船と違い、乗船期間が短く、比較的すぐに下りることができるからです。

乗船期間は会社によりますが3ヶ月働いて、1ヶ月休みという会社もあるようです。

陸の会社へ

海運会社以外はいろいろな会社に行きます。

入社してすぐに退職した人は、全く違う職種に挑戦したり、また新卒で入社したりします。 

ある程度経験を積んでから退職した人は、商社で経験を生かして仕事したり、サービスエンジニアとして技術を活かして仕事したりします。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、若手外航船員が退職する理由を書いてみました。

他にも理由はあると思いますが、大方このような理由が多いです。

外航船員になるか迷っている人や航海士か機関士どっちになるか決めていない人などは是非この記事を参考にしてみてください!

 

質問やコメントがあればお願いします。

ありがとうございました!