船乗りの食費は無料? 船員の食事はどのようにまかなわれているのか

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2020/5/3更新

 

「船員ってどれだけ食費がかかるの?」

「どうやった食料を調達してるの?」

と疑問に思いませんか?

私は学生の頃思ってました。

 

そこで今回は、船員の食事について書いていきたいと思います。

船員の食料支給は法律で保証されている

船員の食料について、船員法第80条により

「船舶所有者は、船員の乗船中、これに食料を支給しなければならない。」

と定められています。

 

つまり、船員本人は毎日3食が保証され、お金も出さないでいいのです。

乗船中の数ヶ月の食費はゼロになります。

(個人でお菓子や酒などの嗜好品を買う場合は払います。)

船の大きさや航海区域によって対象は変わりますが、外航船員なら基本的に支給されます。

 

食費がかからないのでお金が貯まります。

これも船員の魅力のひとつですよね!

 

ちなみに練習船などに乗っている実習生も対象となり、食料が支給されます。

ですから、実習生自身も実習するにあたって、ほとんどお金がいりません。

 

以下の文が船員法第80条です。

(食料の支給)

第八十条 船舶所有者は、船員の乗船中、これに食料を支給しなければならない。

 

○2 前項の規定による食料の支給は、船員が職務に従事する期間又は船員が負傷若しくは疾病のため職務に従事しない期間においては、船舶所有者の費用で行わなければならない。

 

○3 第一項の規定による食料の支給は、遠洋区域若しくは近海区域を航行区域とする船舶で総トン数七百トン以上のもの又は国土交通省令で定める漁船に乗り組む船員に支給する場合にあつては、国土交通大臣の定める食料表に基づいて行わなければならない。

 

○4 船舶所有者は、その大きさ、航行区域及び航海の態様を勘案して国土交通省令で定める船舶には、第一項の規定による船内における食料の支給を適切に行う能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に該当する者を乗り組ませなければならない。

 

外航船の食料調達

外航船では、大量の食料を寄港地で受取り、みんなで手分けして冷蔵庫に運びます。

野菜庫と肉庫、魚庫に分かれているので、分類しながら運びます。

 

食料の管理は、基本的に司厨部のフィリピン人司厨長がしています。

注文は、船長と場合によっては一等航海士と相談しながら行います。

 

食事管理が下手な司厨長だと船長や一等航海士の負担が増えて大変そうでした。

 

一度、想定していたより航海が長引いてしまい、野菜などがかなり痛んできて、ウサギの餌のような野菜しか出てこなかった時がありました。

挙げ句の果てに米の量も少なくなって、食糧難を経験しました。

 

食料の管理はとても大事だと痛感しました。

 

外航船の台所事情

外航船の司厨部はフィリピン人が務めています。

フィリピン人が作ってくれるのですが、ちゃんと和食を作ってくれます。

 

しかし、全員が料理の上手い司厨部だとは限らなくて、当たり外れがあります。

当たりの時はいい航海を過ごすことができ、外れの場合はカップ麺の消費量が増えます。

 

また、外れの時は調味料が必須です。

この世にはどんなに味が良くなくても、おいしくしてくれる調味料があるので乗船するときは備えていくことをオススメします。

 

フィリピン人は豚の丸焼きが大好き?

フィリピン人は豚の丸焼きが大好きで事あるごとに焼いています。

写真を載せたいですが、焼かれる前のものしか撮っていなかったので、控えときます。

 

また、フィリピン人はクリスマスを盛大に祝います。

本音では、クリスマスは家で過ごしたいようですが、仕方ありませんね。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

 

食事は船乗りの大きな楽しみなので、保証されているのはありがたいですよね。

フィリピン人と協力していい食生活を目指してください!

 

質問や疑問点があれば、コメントお願いします。

ありがとうございました!