【後編】外航船の機関室にある機器たちを紹介<ディーゼル船編>

f:id:hisaki1421:20200418171414j:plain
2020/4/18更新

 

今回は、前回に引き続きディーゼル船の機関室にある機器たちを紹介していきます。

前編はこちら!

前編】外航船の機関室にある機器たちを紹介<ディーゼル船編>

https://blog.hatena.ne.jp/hisaki1421/lawrence.hatenablog.com/edit?entry=26006613548460704

 

早速紹介していきます!

ディーゼル船の主な機器(2)

操舵装置

船が針路を保持したり変更するために、舵を操作するのが操舵装置ですね!

映画やアニメで船長がよく回しているあれです。

大きな船だと人力で舵を動かすなんてできないので、動力を使って舵を動かします。

動力には、モーターで油圧ポンプを動かしたり、そのままモーターを使って舵を動かす場合があります。

 

余談ですが、舵に関して上司とこういう話をした覚えがあります。

 

上司「舵は何のためにあるんだ?」

僕「進路を変更するためじゃないですか?」

上司「半分正解。正解は、真っすぐ進むためにあるんや。」

 

このように言われました。

皆さんはどう思いますか?

 

冷凍機・冷房機

乗組員の食料を保存する冷蔵庫や冷凍庫を冷やすなが冷凍機

船内の温度を調整するのが 冷房機です。

 

どちらも冷媒を蒸発させてその時に周りの熱を奪い、冷やします。

この2つにトラブルが起きると生活に大打撃になります。

 

食料は、肉庫魚庫野菜庫があり、それぞれ温度を調整します。

野菜庫は0℃を下回ると凍り、腐ってしまいます。

また、肉庫と魚庫は温度が上がりすぎると痛んでしまうので、注意が必要です。

 

ポンプ(海水、清水、飲料水、燃料油、潤滑油など)

 海水や燃料油などの流体を圧を高めて移動させるのがポンプです。

ポンプはモーターにより回転し、流体を各部へ送ります。

ポンプやモーターは、船に乗ると何回もメンテナンスする機会があると思います。

 

各タンク(燃料油、潤滑油、清水、飲料水、圧縮空気など)

燃料油や水などを保管しておくのがタンクです 。

燃料油は、そのままだと粘度が高いので、タンクに蒸気を供給し加熱し,

粘度を下げています。

 

焼却炉

船で出たゴミや廃油を燃やすのが焼却炉です。

船で出たゴミは焼却するか陸揚げするのですが、陸に揚げるとかなりのお金がかかります。

ですから、ゴミは船でできるだけ焼却します。 

焼却は、寄港地では行えないので、航行中に行います。

 

料理や残り物などで出る生ゴミは、航行中に海に捨てます。

法律で捨てていい条件が決まっており、それに従って捨てます。

 

汚水処理装置

「船でした糞尿はどうするのだろう?」

そう思う人は多いと思います。僕もそう思ってました。

 

答えは、 汚水処理装置です。

タンクに船中の糞尿を集め、そこでバクテリアを使い糞尿を分解し、海に排出します。

汚水処理装置の担当は、三等航海士の場合が多く、臭い汚い作業をしないといけません。

 

油水分離器

 機関室で出た汚水や生活汚水などはビルジと呼ばれ、そのまま海に排出してはいけません。

ビルジには、油が混じっているので排出すると海が汚染されるからです。

ビルジを排出する場合は、油水分離機を通す必要があります。

油と水を分離し、ある濃度まで下げるとやっと排出できます。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

前編と後編に分けて、ディーゼル船の主な機器を簡単に紹介しました。

船の機関士はこれらの機器のメンテナンスを手分けして行っています。

 

「どんな機器があるのか」「どんな機器をメンテナンスしていくのか」

この記事を見てみなさんの参考になれば嬉しいです。

質問やコメントがあればお願いします。

ありがとうございました!