外航船員の6つのデメリット(生活、結婚、英語、・・・)

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2020/4/5更新

 

前回は外航船員の魅力を書きました。

今回は反対に外航船員の辛いところを書いていきます。

 

約2年間外航船員として働いて退職した僕が、何がしんどかったかを経験を踏まえて書いているので、ぜひ一度目を通してください。

 

 

外航船員の6つの辛いところ 

外航船員にとって船は、『仕事場』であると同時に『生活する家』です。

学生とっては、『学校』と『家』が一緒のようなものです。

 

その状況ではそれなりにデメリットが出てきます。

以下の7つを挙げてみました。

 

・ずっと船で生活しないといけない(陸に戻れない)

・人間関係

・娯楽が限られる、好きなことができない

・肉体的にきつい

・休暇中友達と日程が合わない

・女性は働きにくい

 

ずっと船で生活しないといけない(陸に戻れない)

これは船で働く上でしょうがないですがなかなか辛いものです。

ずっと船にいるということは、以下のようなことを伴います。

 

家族や友人、彼女or彼氏に会えない

乗船勤務中は、ほとんど会えません。

会社によっては日本に寄港した際に、家族を船に呼ぶことができるので、その時に会えるくらいです。

もしくは、上陸した時に会いに来てもらうくらいです。

 

ちなみに僕が特に辛かったときは、友人が楽しそうにLINEで飲み会や遊びの約束をしているときでした。

 

冠婚葬祭に出席できない

両親や兄弟のお葬式の場合、緊急下船させてもらえます。

しかし、それでも下りる場所によってはなかなか帰国できません。

 

結婚式は、乗船勤務中は出席できないです。

友達に日程を合わせてもらうわけにはいかないので、難しいですね。運次第です。

 

娯楽が限られる、好きなことができない

船には、映画、ゲーム、漫画、麻雀などはありますが、やはり娯楽は限られます。

 

釣りは、ドリフティングのときにしかできません。

(ドリフティングとは、エンジンを使わず、海を漂っている状態のことです。

時間調整の時などに行います。)

ですから、船の娯楽としてはあまり適さないかもしれないですね。

 

ネット環境が良くない(Wifiが弱く、遅い)

最近の船には「Wifi」があるのですが、遅かったり容量に制限があったりします。

LINEのメッセージは十分できますが、電話は途切れたり繋がらなかったりします。

特に、WEBページの読み込みは時間がかかります。

 

人間関係

人間関係が若手船員にとって一番辛いところです。

早期退職した人のほとんどが人間関係を理由にやめています。

 

上司との生活

会社の上司と衣食住をともにすることがかなりのストレスになります。

いい上司に当たれば、ストレスは軽減されます。

しかし、どの上司にあたるかは運次第です。

 

外国人船員

 外国人船員はフレンドリーでとてもいい人ばかりです。

ここで辛い点としてあげた理由は、英語に抵抗がある人には辛いからです。

でも、そんなに心配しないでください。

ボディランゲージでどうにかなりますし、日が経てば抵抗はなくなります。

 

彼女・彼氏と続きにくい、結婚しにくい

僕を含め、乗船勤務中に彼女に振られてしまった人は多くいます。

乗る前は続くと思っていても、心が折れてしまうんですかね。

続かないので、結婚もしにくくなります。

 

結婚している人は、学生から付き合っていてそのままするパターンか陸上勤務以降にするパターンの2つが主ですね。

 

肉体的精神的にきつい

労働時間

通常航海中は、少なくても8時間労働しています。

 

航海士の場合、1日に4時間✖️2回、船橋(船の一番高いところにあり、船を操縦するところ)で周りを見張って、操船します。

それ以外の時間に、書類作業するので、8時間を超えて労働しています。

 

機関士の場合、基本的に8時間労働です。

3日に1回夜に機関室の見回りが入るので、その日は9時間になります。

 

ここまでの話だとそこまで過酷ではないですが、航海士も機関士も寄港や荷役、燃料補給が絡んでくると1日15時間以上労働することも多々あります。

 

そうなると気になるのは、船内休暇です。

乗船勤務中は、休みが2週間に1回有ればラッキーという感じです。

1ヶ月休みがなかったこともありました。

 

労働環境

これは特に機関士の話ですが、機関室(エンジンなど船に必要な機器が集まっているところ) は基本的に暑いです。もちろん外気温によっては寒いところもありますが、暑いときは45℃以上ということもあります。

 

あとは、回転物や高温の流体があったり、危険作業も行うので、かなり危険です。

指を挟んで、指を落としてしまった人もいます。

休暇中友達と予定が合わない

友達は平日に働いているので、どうしても遊べません。

休暇中は、平日はひまで、休日に友達と遊ぶ形になります。

平日を有効活用しないといけないですね。

 

女性は働きにくい

女性にとってかなり過酷かもしれません。

もちろん女性の外航船員で活躍している方はたくさんいます。

しかし、かなり少ないです。船に女性は一人ということがほとんどです。

また、体力的に大変な作業が多いので、男性より辛いことが多いと思います。 

 

外航船員になるには大きな覚悟が必要

いかがだったでしょうか。

 

給料面はかなりいい外航船員でしたがそれには困難が伴います。

外航船員になるのにそれなりの覚悟が必要になります。

この記事を参考にして、今後の選択の材料にしていただければ幸いです。

 

ありがとうございました。