学生が外航船員になるには 〜人数は約2000人しかいない〜

今回は、学生が外航船員になるにはどうすればいいか書いていきます。

 

島国である日本では、貿易のおいて重量ベースで99.7%が海上輸送で賄われています。

(金額ベースで76.7%)

 

そんな日本では、外航船員は2020年で約2000人ほどしかおらず、年々減っています。

 

こんな背景を頭に入れながら、書いていこうと思います。

 

外航船員になるために必要なのは3級海技士免許 

外航船員になるには『3級海技士(航海or機関)』が必要です。

()の通り、3級海技士には2種類あります。

 

航海士になりたい人は、3級海技士(航海)を

機関士になりたい人は、3級海技士(機関)を

取得する必要があります。

 

 3級海技士の試験について

3級海技士の試験には、筆記試験、身体試験、口述試験があります。

 

筆記試験は、海事系大学、商船高等専門学校海技大学校を修了することで免除されるので、問題ありません。 

 

身体試験は口述試験と合わせて行いますが、簡単な動作だけなので、問題ありません。

 

口述試験は、面接方式で海技について1時間ほど質問されます。

問題はそこまで難しくなく、真面目に乗船実習を行っていれば、大丈夫です。

 

口述試験の受験には乗船履歴が必要

 口述試験ですが、受験には、指定機関において計1年間の乗船実習が必要となります。

 

乗船実習は、後述する3つのどれかの学校に行っていれば、満たすことができます。

 

学生が外航船員になる3つの方法 

学生が外航船員になる方法は以下の3つがあります。

 

これらの学校を卒業することで、3級海技士の筆記試験が免除になります。

 

ひとつひとつ見ていきましょう。

 

方法①中学卒業後、商船高等専門学校に進学する

商船高等専門学校では、4年6ヶ月の座学と1年間の乗船実習を行います。

 

商船高等専門学校は全国に5校あります。寮があるので、自宅が遠くても安心です。

 

中には、商船高等専門学校を卒業し、3級海技士を取得後に大学に編入する人もいます。

 

方法②高校卒業後、海事系の大学に進学する

海事系大学では、4年間のうちに6ヶ月の乗船実習を行い、卒業後に乗船実習科でさらに6ヶ月の乗船実習を行います。

 

計4年6ヶ月を学生として過ごすと言うことですね。

 

海事系大学は、東京海洋大学神戸大学東海大学などです。

 

外航船員は、このパターンの人が比較的多いと思います。

  

方法③一般大学卒業後、海運会社の自社養成コースで入社し、海技大学校へ進学する

この方法では、海運会社に入社後に海技大学校に進学し、2年間勉強した後、3級海技士試験を受け外航船員になります。

 

2年間のうち、1年間は乗船実習で、履歴を蓄えます。

 

この方法はなかなか狭き門で大人数とるわけではないようです。

 

僕の3級海技士(機関)取得までのフロー

ここで僕がどのようにして3級海技士(機関)取得に至ったか、振り返ってみます。

僕は海事系大学でした。

 

大学2回生8月〜9月

 →1ヶ月の乗船実習

大学3回生10月〜11月末

 →2ヶ月の乗船実習

大学4回生6月 

 →海運会社内定

大学4回生1月〜3月

 →3ヶ月の乗船実習

大学卒業し、乗船実習科進学後の4月〜9月

 →会社の商船で6ヶ月の乗船実習

乗船実習科修了後の10月

 →入社、3級海技士合格。免許取得。

 

ざっとこのようなフローでした。

乗船実習の1年間は長いと感じる人もいると思いますが、同級生と衣食住を共にする環境は楽しく、あっという間です(もちろん辛いこともあります)。

 

 

外航船員になるにはというテーマで記事を書いてみました。

参考になれば嬉しいです。

ありがとうございました。